cream Soda * 2010 Crisp Autumn号 

ECO LIFE GoGoGo

ロハス・エコECO LIFE GoGoGo

国民を裏切る補助政策と巣食う高価格体質

土曜日の新聞に挟まれている、スーパーや不動産広告。それに混じって、最近は太陽光発電のチラシも混じるこ
とが多い。週に1回はかかってくる電話セールス、展示販売……販売手法が広がり、これから設置しようとしている人は何社も情報が集められる。
しかし、これらのチラシには”今が最もお買い得”、”見積無料”といった消費者を煽る言葉が並ぶ。どのようなシステムがいくらで買えるのか、という肝心の情報は皆無である。
結果として、悪質販売業者が台頭し始めた。クレーム相談は増え、TVでも特集が組まれるほどだ。太陽光は良質なエネルギーであり、革新的な技術である。
だが、この数年の動きは30年前の太陽熱温水器が辿った過ちをなぞっているように見えて仕方がない。

見せない、知らせない価格

住宅メーカーがシステム価格を明示しているが、複数社のカタログを取り寄せるとパニックに陥る。
”オール電化とセットならこんなにオトク”といったコピー、”●●にお住まいのお客様なら▲▲円”と総額を表示するケースもある。だが、kWあたりの単価
は不明だ。調べてみると、20〜60万円まで、ピンキリである。
住宅本体を売る、リフォームビジネスに結びつける住宅メーカーは比較的安いが、訪問販売業者や展示販売の場合、分かりにくいうえに高い。
補助金交付窓口の新エネルギー財団が、毎年の設置金額を「新築住宅」「既築住宅」と分けて公表してきた。
しかし、太陽光発電普及拡大センターも、上部組織の太陽光発電協会も、肝心なシステム価格の情報公開をしていない。
販売業者でさえ、「国民の税で補助していながら、価格公表がないのはおかしい」と、憤る声も少なくない。

日本市場の魅力

2009年以降、太陽光発電の市場が急拡大している。国の補助に加え、地方自治体の普及策なども加わり、海外
にとって世界で最も魅力ある国となった。そのうえ、手厚い普及策を期待して出現を始めた高価業界体質も見逃すことができない。
近隣のアジアも、魅力的な日本市場への参入を見逃さないだろう。

“他山の石”ドイツ

今年に入り、ドイツでは買取価格の大幅引き下げに踏み出した。そのわずか一ヶ月前には、トップメーカーが巨額の赤字を発表、経営危機の噂が上がる程ダメージを受けた。これは、スペインでバブルが崩壊、ドイツに余波が及んで太陽電池の価格が急落したためといわれている。
とりわけ多結晶シリコンセルで急増し始めたアジア勢が、危機に追い込んだとされる。
押し寄せるアジアの太陽電池のため、ドイツ国民は高額な電気料金を負担させらている、というわけだ。

日本が目指すべきもの

再生可能エネルギーの全量買取制度の検討が始まっている。太陽光発電は1kWh当たり42円/35円と他のエネルギーより圧倒的に高い額だ。
日本では石油への依存は低下したが、その分、原子力発電、天然ガスで埋め合わせている。再生可能なエネルギーこそが、エネルギーセキュリティーを向上させる最有力手段だが、太陽光発電だけの普及政策であってはならない。
冒頭のチラシを見ていると、信頼性のある価格情報がないため、高価格体質が目立つ。ドイツやアメリカでは、
量産効果でコストダウンや、価格競争が進み、日本より30〜50%安い。
太陽光発電だけでなく、再生可能エネルギービジネスには、厳しいコスト低減が導入されなければならない。
メーカー、販売・工事業者、ユーザーが融合することで、はじめて環境社会への入口が見えてくるだろう。


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